黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

showa neuf zero‐新昭和零年@@2月11日夜


開業当時のチラシ(昭和31年)
50年間の歴史を持つ倉敷東映が昨年末閉館した。倉映への感謝と鎮魂がこのイベントである。初めて見たステージは高くスクリーンは思ったより大きくて迫力があり館内に入ると威圧感すら感じる。しかも客席の勾配が強いので後方の席でも正面に見据えることが出来る。いままで入館しなかったのが悔やまれる。もしそうしていればこの小屋自体のファンになっていたろう。開会の挨拶で司会の重松恵梨子は、倉映が好きだったのでこの企画を発案したと述べた。全く同感である。天井の高さといい画面の大きさといいなにかしら安堵感がある。
重松恵梨子は学生である。トークショウの司会進行にはいささか任が重すぎたようだが、軽妙な語り口の菊地成孔、存在感タップリの渚ようこ、とちる重松をフォローする瀧本雅志とそれなりに役者が揃った風でヒヤヒヤしながらも面白かった。トーク藤純子(現在の寺島純子)の変遷。「緋牡丹博徒」から「3時のあなた」その間の「女渡世人」における母の表情が意外であり、娘の寺島しのぶが純子によく似ている。そして話は歴史的に価値のある建築物を残すと言うことはどういうことか、時代の流れ移り変わりに都市はどう対応していくのかという議論になった。現在都市がレトロにオブジェ化していく現象や景観保護法が古い建築物の保護になったり生活の足枷になったり微妙である。それにしても惜しまれて消えていく倉映は幸せな終末を迎えたのではないか、と。
ライブは渚ようこの「緋牡丹博徒」「一番星ブルース」「天使の恍惚」「八月の濡れた砂」など7曲を唄い、菊地成孔がソロで「恋とは何かあなたは知らない」を演奏し午後11時30分過ぎに閉演した。その後も ロビー菊地成孔のサイン会やOHK、RSK他のインタビュウがあって会場を後にしたのは午前1時前かな。楽しいイベントでした。