黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

県立美術館@北区天神町

横尾忠則展 絵人百九面相

僕の横尾忠則体験はサンタナロータスの伝説」のジャケットまでである。それまでは芝居のポスターとか雑誌の表紙がフィールドで芸術家というよりイラストレータだった。70年代半ば以後はまったく知らない。今回の展示は僕が見なくなった後の作品群で個人的な空白を埋めるにちょうどよかった。

公開制作。横尾さんが見た岡山のY字路を描いている。絵の他に彼の言葉が壁に書かれていて、それは昔エッセイで使われていた僕らには理解不能な小難しい言葉の羅列ではなく、きわめてシンプルかつリズミカルな言葉であった。曰く「滝を見ているのではない。滝の流れる時間を見ているのだ」「ジュールベルヌの時代から随分進歩したのに、今でもベルヌの方が近未来に見えるのは人類の精神が進歩していないからだ」メモが取れなかったので記憶で書いている。若干違っているかもしれないが要旨はこんなんだった。