黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ゆず坊

「アゲハチョウなどの幼虫をゆずぼうという」なんてことは小学生の時以来すっかり忘れていた。

日頃庭の手入れなどしないのだが、ボウボウに伸びた枝が邪魔なので剪定していたら突如目の前に現れた。しかも目があったのだ。運命的な出会いを感じたので友達になることにした。

二日目の朝、正確にはあれは目ではなくて眼状紋という模様だという。彼はもくもくと葉を食べる。葉脈を残すのは自分が落ちないためらしい。

3日目の朝、彼は一回り大きくなった気がした。4日目の朝、彼は寡黙になり枝の奥の方でじっとしている。5日目の朝、彼はいなくなった。どこかでサナギになったのか、鳥に持っていかれたのか。