黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

リコーGRIIでムービーを。


ビデオカメラじゃなくても思った以上の画質だったので気をよくしてムービーに関わってみることにした。
自主製作映画のはしり大森一樹が「暗くなるまで待てない」という16mm映画をひっさげて京都からやってきた。彼の8mm作品「明日に向かって走れない!」「死ぬにはまにあわない!」は当時大林宣彦の面白映像と共に大人気だった。それで僕は大學で友人と映画研究会を立ち上げ一本だけだが仕上げたことがある。カメラはニコンR10だったのが自慢だ。その友人がほとんどの機材を揃え、僕はわけのわからないアイデアを口走るだけで役には立たなかったが、彼は出来た人で「そのアイデアはねぇ、ゴダールもやってるよ」とか「フランソワ・トリュフォーみたいだね」とか気持ちよく持ち上げてくれさらに理論的にバックアップしてくれるので、調子に乗ってヌーヴェルヴァーグっぽく即興で演出した「海馬よ、俺たちは弾を込める」を共同で製作した。こいつは男がただひたすら走るという8mm映画で、音声は吉増 剛造の朗読をバックに走る息づかいの生録をかぶせてある。サウンド8mmが発売される前なので、フィルムに磁気ペーストを手作業で塗り乾かしてからダビングするという気の遠くなるような作業であった。
それと比べると今は随分楽になった。GRIIの画質がいいのに気がついてカメラを廻したくなった。なくたっていいんだけどフードがあるとムービーっぽいのでつけてみた。