黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

先祖の墓参り


しまなみ海道から外れた離島へフェリーで向かう。

正面の山にはパラグライダーの発進場があるらしい。

江戸時代後期の墓。無縁仏にされているが墓碑銘はちゃんと読める。

一族の墓が並ぶ。屋根のあるお墓が最も古いもの。

江戸時代初期の建立と思われる。豊臣方に加勢して徳川にこってんぱんにやられ、名前を変えてこの島にやってきた。それ以後のものだからだ。廻船問屋を始め一時は隆盛を極め分家が三つ出来た。そのひとつが僕の先祖である。

景気の良かった頃建てた墓は六角形。各面に名前を彫ってお参りの時は該当者が正面になるように回転させる。ところが明治になって鉄道が普及し始めると海運業は行き詰まり経営が傾いた。島では墓石は貴重品だったのでなにがしかの金に換えたようだ。墓石を売るくらいだから当然家もつぶれ跡形もない。

(裏側。今は別の家の墓石。回転しないので裏には彫られておらず、昔の銘は研磨されている)
4代前の人は遠縁に養子に行った。しかしそのとたん子が出来て養子を解消され戻された。三代前は村長の娘というナイスポジションの許嫁(いいなずけ)がいたにもかかわらず、本土で恋愛して駆け落ちしてしまった。以後島に帰れるわけもなく人々の記憶からも消えてしまったようだ。幸いにして墓の面倒をみてくださった方がいて一部は無縁仏にされつつも細々と残ってた。