黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

中畑商店@兵庫区東出町

神戸から西にハーバーランドを越えたあたりの住宅密集地に稲荷市場という路地があります。お好み焼やホルモン焼、本屋、酒屋などが狭い路地に並んでいます。

こんな通りは昭和30年代中頃まで岡山駅西口にもありました。国体開催で一掃されましたが、子供にはちょっと恐くそれでいて好奇心そそられる大人の世界のようでした。

風除けのビニルをくぐるとおっちゃんがジャーッと焼き始めました。まだ注文してないんですけど。椅子がパイプ椅子だったりビールのボンベだったり狭い店内は5,6人で一杯です。

串一本ホルモン40円レバー、あばら、はつ各80円 ですと。なんせこのお値段なんで「とりあえず全部」と景気よく注文。ジャンジャン焼ける端からタッパウエアに入ったタレに漬けて一口で平らげます。お酒はストーブでぬるく燗されています。

ホルモン(串が他のより短いので会計がしやすくなってます) これはうまいです。天王寺まどか(閉店)とは違った印象です。処理の違いなのかホルモンといっても部位が違うのか、まどかはソースでしたがこちらは焼肉のタレです。

アバラはやや脂っぽいです。

レバです。味が濃いです。

ハツもうまい。落ちた脂が流れる工夫がしてあります。左はネギ串ですね。お客が来るとドンドン焼くのでタイミングによっては何度も温め直されたのがあたるかもしれません。そんなことはものともせずドンドン食べるが勝ちです。上に積まれたのが新しいのですから。

市場の裏に松尾稲荷神社があって水商売に縁起がよく昔は芸子さんなどがお詣りに来てにぎわったそうです。奥にはビリケンさんが祭ってあります。ビリケンさんはアメリカの芸術家フローレンス・プリッツが1908年に制作した像だそうです。キャラクター人形で販売されていて1912年(大正元年)新世界に置かれ人気を博したらしいですな。足の裏をなでると御利益があるそうです。


ここのビリケンさんはもともと神戸にあったお店に飾ってあったらしいのですが、撫でられすぎてすり減り元来の愉快な顔が怒ったような顔になったため祟りをおそれて大正時代の終わり頃ここに寄付したらしいですな。そう思って見ると表情がこわいかも。
注:交通の便が悪いのでタクシ、バスを推奨。有料駐車場は近辺に全くなしでした。