ＤＶＤ２枚組
ウッドストックのジミヘンはベストな状態ではなくライブ・パーフォーマンスではもっと出来のよいものはある。しかし個人的に動くジミヘンを見たのは映画「ウッドストック」が最初だったし、なんたってウッドストックである。出来の良し悪しよりその雰囲気が味わえることが重要だ。とくにジミヘンの場合四日目の早朝の登場である。前日にトリで出てるはずだった。映画では冒頭「待たせたな」というジミヘンのセリフがあり地平の彼方にお日様がある。映画公開当時僕はこれを夕陽だと思っていた。それが朝だと知ったのは２０年位経ってからである。客は１０時間以上辛抱していたことになる。なんぼ待たすねんチュー事ですわ。
ジミヘンが登場した時間には２０万人とも３０万ともいわれた観客のほとんどは帰路についており残っていたのは２万人ほどだった。たしかに映画でも中央タワーの向こうには人がいないしＤＶＤにもジミヘン演奏中にもかかわらず去っていく人の列がみえる。疲れ果てたんだろうね。今回ジミヘンの全貌がやっと見られるようになった（正確には二曲足らない）。演奏順のままもいいね。映画やＣＤでは不完全収録で順序もまちまちだったからこれはうれしい。ＢＳ＆Ｔやジャニス・ジョップリンなどまだ未発表映像はたくさんあるはず。出して欲しい。
おもしろい構成になっていて一枚目は正規に編集された映像で二枚目は「A SECOND LOOK」と名付けられ別角度からのカラーとモノクロが入り混じった映像である。これは複数のカメラで撮影されたフィルムをモノクロ・プリントで編集し最終段階でカラープリントにしたためと思われる。没になった部分はカラープリントされずモノクロのまま繋がれている。サウンドは同じなのでＤＶＤプレーヤとパソコンで同時にかけてみる。曲間の長さが違うので一曲ごとに出だしを合わせなければならないが、こうすると今まで見えなかった客席の様子やメンバらの表情が確認できる。
