黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

天神山文化プラザ開館50周年記念ホール提案事業@北区天神町

ペルソナ・ブランカ(悪の秘密結社)プロデュース「ファム・ファタール
サロメと人魚の話、夢幻能イフリートからなる芝居と舞踏、映像のパーフォーマンス。

もう50周年になるのか、僕が高校生の時エレキブーム、グループサウンズ(GS)ブームの時代には文化センターという名前で岡山のバンドのメッカみたいな処だった。

夢幻能イフリート開演前音楽担当の赤田さんがスタンバイ中。
イフリート=魔人が人間の女に恋するが裏切られ・・・という物語である。ステージは真っ黒で登場人物も真っ黒である。白い衣装に赤いかぶり物や赤い口紅、赤い羽衣そして魔人は蛍光色で書かれたイラストで表される。これらを3Dメガネを通してみると、あら不思議赤い色が飛び出して見えるのだ。黒バックにメイクされた顔のとくに唇や羽衣が浮き上がってすこぶる立体的に、蛍光色の魔人は色鮮やかに巨大な悪霊として幻想的に浮かび上がるのだ。このアイデアは秀逸だ。ブラックライトに差し歯が青白く光るのと同じ原理だろう。赤田さんの上にある垂れ幕の赤い文字も飛び出る。
赤田さんの音楽は切なく叙情的に、時に激しくそれは彼の腹に打ち当てる打楽器によってなされる。マルチプレーヤーは体のすべてを使って表現するのだ。

サロメはここに潜んでいる。
これは映像にダンス・パーフォーマンスを加えた斬新なもの。映像はこの建物の屋上を使ってロケされ外壁のレリーフがうまく使われてサロメの世界観を形成している。サロメが踊るシーンはダンサーが出現し映像と一体化した激しい踊りを見せる。
濃い内容の作品を立て続けに見たのでやや疲労したが楽しかった。雨上がりの西陽がきつい。サロメは高校時代に読んだきりなので多くを忘れている。丸善に寄って帰ろう。