黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

シアターBRAVA@大阪市

レミング−世界の崖まで連れて行って− 寺山修司原作 維新派公演

維新派は1970年旗揚げされた劇団で、某市長のいる性治団体とは無関係。
今まで2002年10年犬島での公演しか見たことがなかった。野外劇場=舞台を団員が二ヶ月ががりで組み立て公演を行った後は解体し撤収する。(写真下)その舞台は半端なものではなく巨大な木造のモニュメントだ。このスロープは客席に向かうエントランス、舞台は右奥の構造物(客席)の奥にある。

劇場公演を見るのは初めてなのでどんなステージか興味津々だった。しかしそれは意表を突かれるほどシンプルでモノトーンであった。わずかに白い壁が主人公のアイデンティティを表すポイントになっていて、黒い階段状の空間は撮影所になったり病院だったり都市そのものだったりする。チャイナドレスの常盤貴子とダンサーのバラの模様だけがカラーである。変拍子の足踏みのパターンの変化によって物語は進行する。ラストの都市をシルエットに出演者が浮かび上がるシーンは美しい。まさに都市こそ世界の崖なのかもしれない。