黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

閑話休題

犬を散歩させて糞の始末をしない奴がいる。特に夜懐中電灯を持たずに散歩しているのはまず間違いなく処理できてないか、する気がないと言ってよい。朝僕のコース上に糞があった日にゃ、怒りで血圧が上がる。不愉快で健康にもよろしくない。ある日糞に金蝿がとまっていたので、そばの砂をかけて覆っておいた。かくすれば臭わないし蝿もたからない目にも触れない。他の糞はしかたなくそのままにしておいたが3日後には乾燥し風化してアスファルトに痕跡を残すだけになっていた。それから数日後経った今日、砂に埋めたのが誰かに踏まれたのか分断されて転がっていた。それを見て驚いたね。表面は乾いているものの断面はまだ瑞々しく軟らかそうだ。同じ頃の糞がすでに跡形もなくなくなっているのに、砂に埋めたのは保存状態がすこぶるよい。なるほどポンペイの町は火山灰に埋もれやエジプトやタクラマカンの遺跡は砂に埋もれていた。何千年もの時間に耐えられたのは砂のおかげだったのか。犬の糞を見ながらしばらくたたずみ遠い異国の史跡に想いを寄せた朝であった。