ドアーズ/まぼろしの世界
ドアーズとの関わり方は難しかった。「ハートに火をつけて」や「ハロー・アイラブユー」などののりやすくわかりやすい曲があった反面複雑に入り組んだリズムでわからない歌詞の唄が多かったからだ。もっとも「ハートに火をつけて」でさえホセ・フェリシアーノがカバーしてやっとヒットしたくらいだからリスナーにとってお気軽なバンドではなく、ストーンズよりもハードな面があったと言っていい。ジム・モリソンの奇行ばかりが伝わってきて僕の中ではお近づきになりたいバンドじゃなかった。他に追っかけるべきバンドがたくさんあったからね。モリソンの死後随分たってから「アブソリュートリー・ライブ」を聴いてドアーズを聴き逃していたことを後悔した。
未公開映画の一部とすべて当時のフィルムをつかっていて生々しさが伝わってきた。でも僕はドアーズのファンにはなれなかっただろうな。ただ他のメンバーがジムを全面的に評価しバックに徹していたことに感動した。この点で再度ドアーズに触れることがあるだろう。