終演後の挨拶、開演中もお月様(右上)が綺麗だった。
いい野外劇だったなぁ。この季節にしてはやや冷える位の気温で蚊の心配も無く、初日の教訓から上演中は撮影禁止になって、いろいろな意味で安心して芝居に集中できた。
ずーと松明が焚かれ、刀匠が鉄を打つ火の粉が舞い上がる(屋内では上演できないね、すごい迫力だった)。この鉄が今回隠れた背景のひとつだろう。鉄の生産加工は最先端の技術だっただろうから日々の狩猟や農耕、そして戦において重要な要素だったはず。ちなみにカヤは、インドのガヤ(仏陀伽耶のある地) 朝鮮半島のカヤ(伽耶、ガヤとも発音する)そして吉備のカヤ(加耶 加夜 賀陽とも書く)でいずれも鉄の産地とのこと。
鬼伝説は、脚本を書いた白神貴士氏のテーマみたいなものかな。「恋の鬼」(2011)「惨業鬼」(2013)など鬼の業を描いたお芝居には心を打たれた。
今回は吉備の国と大和朝廷との戦いである。大和からすれば吉備は温羅=鬼の支配する国、成敗せねばならない相手だ。
「beZen鼓空」の和太鼓と赤田美由紀さんのキーボード、赤田晃一さんのサックス他が、合戦の模様や主人公達の心の移ろいなどを効果的にサポートする。
諸説ある桃太郎伝説の中で、僕的には最も納得のいくストーリーに仕上がっている。
本編に先だって若い人たちが和太鼓やフラの演奏やダンスで場を盛り上げ、芝居終了後には第二部としてセッションが行われた。帰りの都合で最後までは観られなかったが、いい構成だった。
当初スケジュールが合わず諦めていたのだが、うまい具合に調整が出来て庭瀬で途中下車した。会場までの徒歩はしんどかったが、そんな疲れを吹き飛ばす公演だった。
(写真は終演後の挨拶、開演中もお月様(右上)が綺麗だった。)
蟠龍さんの「加夜(かや)」の文字。
温羅三種。朝日米と山田錦をいただいた。いい酒だ。