黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

新宿で朝食を   思い出横丁(しょんべん横丁)

新宿西口の思い出横丁は昔しょんべん横丁と呼ばれていた。1.5mあるかないかの道幅のゆるい坂道に飲食店がひしめいている。トイレが坂の上にあるので横丁はいつもあふれた小便の臭いがした。夜は遅くまで労働者諸君が空腹を癒したり安酒をあおって、時には不穏な空気が流れたりしてスリリングな場所である。要するに怖いところであった。私はもっぱら朝飯に利用。
音羽食堂 焼鮭の定食¥510、しじみ汁とで710円

朝7時にぎわっているのは、ここと つるかめ食堂である。つるかめは二階もあって最大規模の店である。コロッケが抜群にうまい。いまもあるかどうかはわからんがクジラベーコンもこの店のなら喰えた。共通してご飯が美味しい。今朝は音羽が空いていたので選択。サバ焼かサバ味噌煮が定番だが今日はないとのことで焼き鮭に、そして汁の具を豆腐かシジミか訊いてくる。実は豆腐なら定価のウチだがシジミはオプションである。あらかじめ説明がないので初めての時は釈然としなかったなぁ。しかしここはシジミが大正解。しみじみとうまい。

夜になるとトイレの臭いが立ちこめる長さ70m位の路地であった。トイレへの案内が右上、左下は店の裏通路でここを20mくらい進むと、トイレにたどり着く。今はきれいだが昔は突然バケツを持った男が飛び出して残飯をこぼしたりトイレより汚かった。じゃがたら江戸アケミの落書きがまだ残っている。

さて同時刻しょんべん横丁向かいの対照的なおしゃれなお店でブレックファストする人たち。この店は午前6時30分開店。終戦直後の遺物のような一角があるかと思えば、その傍には最新のビルが建っている。この横丁もきっと時がくれば再開発の名の下に立退き命令がでて、強制収容という憂き目に遭うのかなぁと思うと上京したら必ず立ち寄る場所になっている。