黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

真実・アントニオ猪木@ゴマブックス刊

1976年6月26日モハメド・アリ戦とは何だったのか。

試合はお昼に行われた。僕は落語会のバイトの最中でホールの守衛さんはテレビに夢中だった。インカムで途中経過を尋ねても要領を得ずちょっといらついた。落語会とテレビ放映が相前後して終了。守衛室に飛び込むと、とにかくわけわからんまま引き分けとのこと。
夜の放映になんとか間に合って一人興奮しながら観たが半分興ざめもした。翌朝の新聞各紙「世紀の大凡戦か、究極のガチンコ勝負か」はましな方で「詐欺ではないか」とまで書いてあった。後になってルールがどうだとかファイトマネーがどうたらと言う話が色々出てきてさらに混沌として、もう一度確認したくてもビデオのない時代なのでそれもかなわず世間の酷評を受け入れるしかなかった。
アリ戦以後僕は漠然としたプロレスファンから熱狂的なイノキファンになり76年12月ウイリアム・ルスカ再戦をはじめ,ザ・モンスターマン戦、チャク・ウェップナー戦、ウイリー・ウイリアムズ戦を観た。特にウェップナー戦はアリ戦では使えなかった技(スタンディングでのパンチやキック)が繰り出せたので対プロボクサー戦総決算として溜飲が下がる思いであった。もっともイノキはパンチを食らってダウンを喫したのだが、それもスゴイものを見せていただいたという感動以外にない。