ドキュメンタリ頭脳警察第二部
「頭脳警察」を知らない方がいたのでチョットだけ解説。頭脳警察は1970年代に物議をかもしたロックバンド。パンタ(G)とトシ(Rerc.)のデュオ。日本語のロックにこだわり、政治色を前面に出したので発禁や放送禁止が多かった。「世界革命戦争宣言」「銃をとれ」「戦争しか知らない子供たち」などタイトルだけで過激。日本赤軍がアジテーションで参加したり三里塚幻野祭に出演するなど反体制バンドとして知られていた。今回の映画によると本人達はさほど深く考えてはなくいわば軽いのりだったように語っている。もっともそれは彼らの照れなのかもしれない。当時、頭脳警察=過激派のイメージは確かにあった。僕が観たのは日比谷野音、東京都体育館ほか聖ロック祭というコンサートの3回くらいかな。生ギターとコンガで叫ぶように唄うスタイルはPAが未熟だったせいもあって何を言っているのかよくわからなかった。激しいメッセージを含んだ曲とは裏腹に「さようなら世界夫人よ」(これも革命の唄である)のようなバラッドはすごく綺麗で対照的な一面ももっていた。後にパンタは名作「マラッカ」を作る。これはダイナミクかつ繊細なラブソング集だった。第二部ではなぜマラッカだったのかが詳細に描かれる。パンタと氷川丸さらに重信房子という希有な組み合わせ、これは興味深かった。
追記:アルバム「マラッカ」は鈴木慶一プロデュースである。