黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

電子レンジ

義祖母の家にあった壊れた電子レンジを破棄するために持ち帰った。型番からすると生産終了品だがまだ6年しか経っていない。一人暮らしで温め機能しか使ってないのに壊れるのは変だと思いつつ何度かドアを開け閉めしたらピッと鳴って電源が入った。でも動作はしない。あれこれボタンを押してみたら突然復旧した。なんのことはない要するにスイッチの接触不良となにかのボタンの押し違いで動作しなくなっていただけのようだ。壊れたと聞いて慌てて購入したのは早計だったかもしれん。とりあえず長年の汚れを取ってきれいにしてちゃんと使えるかどうか調べてみた。さすがにスイッチ類には反応しないものもあって使っていないだけでも接点不良になるんだなぁと納得しつつ使える機能を探っていった。新しいのがあるから使い勝手が悪ければ破棄してもかまわんしと気長にいじくっているとなにもかも動作し始めたではないか。

さっそく取説をダウンロードし、検索してみると重量センサー付の初期モデルでいまだにヤフオクにも出品されている人気機種だった。

今うちで使っているのは20年以上前のアナログ時計式で強弱の切り替えのみというまさにガラパゴス機種。解凍と温めだけもちろんグリル機能なし、素材を放り込んだら調理までやってくれるプログラム機能もなし。これがシンプルでいのよ。

捨てるのはもったいないのでありがたく使わせてもらうことにして二段重ねにしてみた。
この重力センサーというのは使ってみると意外にやっかいだ。自動的に時間を設定してくれる分、こちらの意思をどう反映するかがむずかしい。いままでは目分量と経験値で時間を決めて、やや控えめに設定しつつ追加で加熱していく、その経験を活かせれば次からは一発で決まった。新しいのは重さを勝手に量って時間を決めてくれるので思うところで止まらず火の通りすぎが起こる。なので目が離せない。30秒くらいならともかく3分間見つめているのは馬鹿馬鹿しい。本来他の作業に当てるべき時間なのだから。牛乳を何度か吹きこぼしてふとわかったのは今までのタイマーの概念が通用しないことだ。あらかじめプリセットされた機能を全部理解していないと使いこなせないとわかった。どう温めたいかを明確にしてスイッチに立ち向かわないといけない。そうすると分量を考えなくても重量センサーが時間を決めてくれるのだ。これにいたって自分と電子レンジとの協働作業だと理解した。取説を熟読してラップの要不要(いままでとは随分違っていた)、レンジとグリルの連携をほぼ把握した。

まず買ってきたのはマルダイの「えびめし弁当」である。おそるおそる「コンビニ弁当」というボタンを押してみる。レンジ弱という表示でしばらく廻った後レンジ強に切り替わりトータル5分少々でチンが鳴った。これによってえびめしとチキンカツは熱々にコールスローと漬け物は若干生ぬるくなっていたが常温に近い状態で食べることが出来た。すごいな、いままでは全部一様に熱くなるのでサラダなどは別にしてチンしていたのに。我が家はやっと時代に追いつきつつある。