黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ダビンチコード@ダン・ブラウン著 角川書店刊 

あたいがダビンチだす。なんか用、ん?
 面白かった。一気に読了。暗号解読の複雑さに比べて暗号そのものは意外に簡単なんだけどね。それに黒幕の正体も「いかにも一般がヨロコビそうな」ありきたりなよくあるパターンだったので一安心。そうでないと読者のカタルシスは解放されないからね。場面展開が早いのでだれることなく、謎が謎を呼ぶので退屈しない。新約聖書の成り立ちや、何故「博愛」のキリスト教が「魔女狩り」を行って大勢の女性を犠牲にしたのか、ローマ皇帝キリスト教に転向したワケとか興味深く語られる。レオナルド熊は死んで石倉三郎といういい役者を残したが(コント・レオナルドのままだったらおそらく石倉は芽が出なかったろう)レオナルド・ダビンチは歴史の謎を残した。ダビンチの作品の中には宗教上邪悪な表現を隠しているという理由で公開されてないものもある。「モナリザ」「最後の晩餐」にもいろいろ謎が多いのもご承知の通りである。
登場人物は暗号解読者、宗教象徴学教授、宗教史学者、スイス銀行支店長など身近とは言えない人物ばかりで、説明されてもわからない歴史ネタやら宗教ネタのオンパレードであるが、結局は彼らもオタクである。ラオタとたいして変わらないのである。ヨーロッパの史跡を駆けめぐる展開は、ラーメン屋を駆けめぐる爆食とたいして変わらないのである。最後に落ち着くところは、やっぱ近所のラーメン屋だったという結論も似たようなものかぁ。
初めから映画化を前提にしているかのようなヴィジュアル重視なので「徒弟の柱」やら「ニュートンの墓」やらは見た事がないので映画化が楽しみ。ロン・ハワード監督らしい。
「いかにも一般がヨロコビそうな」はレオナルド熊が1983年流行らせた。