黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

カリブの海賊:デッドマンズチェスト


chestは胸の事かと思ったら宝箱と訳してあった。たしかに胸には大切な心臓が入っているから宝箱にはちがいないな。そしてホンマに心臓が入っていたというオチ。宝箱は宝石箱じゃない。宝ってそれぞれの胸の奥にある大事なものだから、宝を探す冒険の旅には誰もが旅発ちたいと思ってる。「指輪物語」と対極をなす設定、指輪は哀れなホビットが冒険の旅に無理やり巻き込まれるのだが、ジャック・スパロウは自らが疫病神なので仕方がないとはいえ襲うより逃げる方が多い。土人の食料にされかけタコの悪霊に取り憑かれ船は沈められる。なんてこったの結末は、否応なしに周囲の人たちを更なる冒険の旅を決意させる。物語はウィル(オーランド・ブルーム)を中心にススム。逮捕され取引をしジャックと合流するも土人に捕らえられ、あれやこれやジャックにも運命にも翻弄されあげくは水車の上で決闘する羽目に。宝箱なんか放っておいてのチャンバラが究極おもしろい。男たちはいつも本質からはずれたところでジタバタしている。唯一の女性エリザベス(キーラ・ナイトレイ)のみ見る目がある。これは落語の世界である。おっちょこちょいの男達にしっかり者の女房。傾きかけた店の主人が大金の入った財布を拾いそれを元に盛大に散在をする。目が覚めると財布を見つけたのが夢で散在が本当だったことに愕然とし心を入れ替えて家業に励み店を建て直す。ある日女房から実は財布はあったと聞き、怒るが今の繁栄はその判断あってのことと思い直しさらに仕事に精を出すという噺。ジャック・スパロウ船長は、そんな気遣いはしないだろが男気だけはある。