黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

うどんのモダン

570円


92歳、おばばは来月お誕生日だそうだ。もうおそらく店に出ることはないだろうがいつまでも達者でいて欲しい。この町は歴史のある町なので(といっても農家だけなんだけど)ご多分に漏れず長老がうるさい。運動会とお祭くらいにしか関わり合いがない僕でも長老の意向がいろいろなところで作用しているのを垣間見る。お祭の日程や準備の段取りはすべて古式に則って行われていた。なので祭は曜日に関係なくおこなわれ子供地車だんじり)もままならぬしお詣りの儀は早朝駆り出されてヤブ蚊に刺されまくり。しかし宅地化が進み農業とは縁のない人が増えるにつれ古いしきたりの方が変更を余儀なくされた。本式のお詣りは長老だけで済ませることになり祭は土曜日となった。長老達は抵抗したが、おねしょの頃から若気の至りまで何もかも知られている女性がいることはいやだったに違いない。