黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

浅月@奉還町

中華そば 650円

年に一度の訪問である。店内の豚骨臭は軽減されており気にならなかった。スープの焦げ臭が最後まで残るのは残念。これさえなければいい店なんだけどなぁ。
店を出て「WALL−E」を観に行った。ゴミがこんなにも美しいとは。摩天楼のように積み上げられたゴミはWALL−Eの成した仕事でこの光景が美しい。彼はお気に入りを収集し分別し整理する。仕事が終わるとキャタピラーを脱ぎ泥を落としてくつろぎながら「ハロードリー」を鑑賞するのだ。アブラムシみたいな友達の虫もほほえましく孤独であっても充実感を感じる。ところがこの映画後半ひっくり返るのである。退化し不細工なスタイルになった人類の登場である。ゴミだらけの地球を捨て700年間宇宙にいた設定。700年前と言えば今からなら平城京遷都までさかのぼれる。何十世代もあとの人間に望郷の念が沸くのだろうか?船内のドタバタはそれなりに面白いが孤独なWALL−Eを描いた叙事詩的な前半と比べてなんとも見劣りがする。しかもオートと呼ばれるコンピュータの登場で「2001年宇宙の旅」と同じ仕掛けだとバレバレだし。すっきりせんなぁ。
浅月が戦後中華そばの草分けとして輝かしかったのは60年の歴史の中で前半30年間だ。向かいの冨士屋と極をなす浅月の中華そばは岡山では重要な位置にある。スープが昔のように濃く醤油が際だっていればこのうえないのだが。