19年ぶりの倉敷公演である。この間は広島神戸大阪に足を延ばしていたが、やはり倉敷市民会館はいいねぇ。残響の加減がいい。よくあるのがシンバルの高音の返りが気に触るホールで新しいほどその傾向を感じる。
昨年の山下達郎のコンサートとほぼ同じ位置で聴けたのでおもしろい比較が出来た。ユーミンと山達ではPAのコンセプトが全く違う。山達が個々の楽器を明確に出して重層構造的なのにたいしてユーミンのはいかにボーカルを活かすかポイントになっている。ドラムには強めのサスティーンがかかっていて低音の迫力より低音部の流れを重視しているよう思える。アンコールの一曲目では二人のギターのうち片方がトラブったのかしばらく音が出ていなかった。いちおう弾く仕草はしていたがエフェクターをやたら足で踏んでいた。かろうじてソロには間に合って事なきを得たようだが、全体のサウンドには影響がないように見えた。このギターが不要なのではなくそれを補える多量の音が出ているということだ。キーボード二人、ドラムとパッカーション、ベース、コーラス三人それにギターこれらから生まれるひとかたまりの音を取り出すって感じ。