黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

残念な飲み屋

熱燗一合とおつまみ一品で2000円

ひとり呑みが好きなのでふらっと小さな居酒屋に寄ることはある。でも料理9品に飲放題がついて4000円とか3500円など信じられない価格が踊っているクーポン誌に掲載されている店ってどうなのか興味がわいた。そこでとある店のノレンをくぐってみた。奥の座敷からは若者達の嬌声が響き、別の部屋も賑わっているのがわかる。これは飲み屋なので気にもしないがいい時間なのにカウンタにはノーゲストである。ひとしきり料理の提供が済んだのか板さんはカウンターの奥で一服していて、女店員さんはデザートの用意に余念が無い。しばらくしてやっと気がついてくれた。「どちらかのグループ様で?」どうやら宴会に遅れてきたメンバと思われたようだ。「いえ、ひとりです」「え、あぁじゃカウンタでいいですか?」ひとりなんだから他にないだろと、「座敷で」と言ったほうが面白かったかなと内心突っ込んでみる。
「日本酒のこれを」しばらくして「切らしてるそうです」「じゃ、こっちで」「すみません、それも切れているそうです」「じゃ、御前酒で」。
「つまみは、これこれを一人前」しばらくして「すみません、添える煮玉子が無くなったんです」「じゃ、別のを選んだらいいのね」「あのう、玉子抜き出よかったら100円引きでいいと言ってます」だんだんめんどくさくなってきた「じゃ、それでいいです」。
コースを頼むグループには決まった物を出せばよいから、お客のニーズは気にしなくていい。それは予約の時点でクリアーされているからね。少人数のお客にはそうはいかない。まさに接客の技術が必要だ。単なるメッセンジャーではお客はどんどん引いてしまう。呑んでいて楽しくない。この手の店は今回限りだな。