黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

夜桜



家の前のサクラである。夜桜というと坂本冬美夜桜お七」を思い出す。思い出すといってもさほど唄に想い入れがあるわけではなく、タイトルがなんとなく「八百屋お七」を匂わしている点でだ。火事に遭い避難先でいい男に出会った16歳の娘が、もう一度逢いたさに火事になれば再会できると思い放火してしまう。ボヤで済んだが江戸時代放火は程度にかかわらず死罪。しかし15歳以下は減免処置がある。奉行が情けをかけて「ぬしは14歳であろう」と差し向けるが正直に16歳と答えて火あぶりの刑に処された噺。浄瑠璃や歌舞伎のネタになっているが落語にもある。桂文治師匠のが有名だね。これは火あぶりにあった後幽霊になって出てくるのが哀しく、またオチが現代ではわかりにくいのがもっと悲しい。
坂本冬美夜桜お七」をあらためて聴いてみると「たいした恋じゃなかったと  すくめる肩に風が吹く」の台詞が吹っ切れた感じでいいねぇ。