おでんと酒
駅前の散髪屋は朝早くから開いていて１６７０円でシャンプー、髭剃りもついている。１５分くらいでちゃちゃと終わるので気持ちがいい。その足でつるや食堂へ。
目移りするね。
おや、おでんだねぇ。シーズンももう終わりかな。
向かいのおじさん達。ビール飲みながら大騒ぎ。初対面らしく「岡山へいつ来たん。」「三日前」「なんぼなら」「２３年産まれ」「ワシら２４年と２５年じゃ」「２３ ２４ ２５か、ピタゴラスの定理じゃな」
めっちゃオモロイがな。席立てんわ。耳をそばだてていると。
「わしら日に１万もらえるじゃわ」「じゃけど月に１５万ほどにしかならんのじゃ」「毎日ならもっとになろう」「おめぇは素人じゃな。それがそれ以上は働かせてもらえんのじゃ、しょうがねぇ」「そうなん。１５万じゃなぁ」「今日は天気がえぇから 釣りでも行かんか」
なんで月に１５日しか働けないのだろう。日曜日は休みとして２６日働けば月２６万にはなるだろうに。日雇いを検索してみたら「略〜同じ事業主に以前2ヶ月間にわたって各月18日以上雇用されたものは除く。(wiki)」とある。なるほど雇用側の事情じゃな。１８日以上の雇用が続くと「日雇い」ではなくて正社員にしないといけないのか。だから彼らの雇用主は１５日で切ってるんだな。他にも事情はあるだろうが、働けば月２６万になるなんてのは幻想なんだね。日本の雇用問題の一端が大衆食堂で朝っぱらから語られているとは。しかし深刻じゃな。
酒を飲む手が止まったがな。くだを巻いても彼らは明るく力強いわ。
冷や酒で平天をつっつく。もう寒い季節じゃないから熱くせず温かいくらいで丁度い。
