黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

大歩危@徳島県三好市

阿波池田駅前から「懐かしのボンネットバスで行く祖谷秘境の旅」という観光バスに乗る。所要時間約4時間半、5200円(ランチ、舟代他各種入場料を含む)

小学校の頃にはバスとはこんな形だった。クーラーはなく扇風機、油の臭いのする床、硬い椅子、そして車掌さんである。キップの切り方は国鉄とは違う。国鉄は鋏(はさみ)をキップの縁に入れるがバスはパンチで穴を開ける。遠距離の場合はキップに料金欄があり該当の数字にパンチを入れる。当時のと違うのはバックモニターが付いていることだ。これは安全のためには仕方がないね。

ボンネットバスは現在観光用にしか使われておらず、その多くが山間部に残っている。カーブの多い細い道や民家の軒先をかするように曲がるにはボンネットの方が小回りがきくから、都市部でキャブオーバー型に世代交代になった後も使われてきた経緯がある。

大歩危で川下りの舟に乗る。真下に舟乗り場が見える。ここまでどんなに高い位置を走ってきたか、どれだけ渓谷が深いかがわかる。

季候がいいので川風が心地いい。深いところは水深20mもあるからちょっとぞっとするね。台風が来ればコンクリの脚まで水位が上がるそうだ。そのために樹木は下流に向かって傾いてはえている。

京都の保津川下りは急流であるが大歩危は穏やかな流れである。見所は両岸の傾斜した地層、大歩危小歩危では逆の傾斜になっていることから太古の時代南から来た大地がここでぶつかって隆起した痕跡である。これが中央構造線である。

鮎チラシ寿し。祖谷蕎麦と冷や奴、ワサビ菜漬け。豆腐は硬い。これが岩豆腐といわれる物なのかはわからなかった。漬け物代わりのワサビ菜漬けがピリ辛でこれはお土産に買って帰った。祖谷蕎麦は典型的な田舎の手作り風蕎麦、もそっとして太く短い。

チラシ寿司に鮎の甘露煮がのっていて意外にうまい。

数十年前有料道路が出来るまでは無舗装でバスも通らなかったくらいだからほんまに秘境ですわ。その有料道路は1998年無料化されて観光地化が進んだらしいが、このかずら橋の奥にも2本くらいあって、ここへは今でも厳しい道のりとのこと。

高さは15mくらいあるらしい。

青シャツのおっさんは平然と歩いているが普通の人はこんな感じ床板が蔦で縛ってあるのででこぼこして不揃いで歩幅が合わず、足下を見ないといけなので怖い。ゆらりゆらり揺れてカメラを構えるのも緊張した。おそらく何度か渡ればすいすいと渡れるのだろうけど一回きりだからね。