黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

飛蚊症を侮ってはいけない。

以前からいわゆる飛蚊(ひぶん)は見えていた。綿くずのようなものが目の前をプ〜ンッと動くのである。見ようとするとスーッと逃げる。結構楽しいので長い間そのままにしておいた。それが先週一匹が大きくしかも2匹見えだした。さらに小枝状のものも頻繁に出現しシュールな感覚と面白がってもおられず仕事にも差し支えるほどになったので眼科に行ってみた。「なんでこんなに放置しといた?」「ひどくなったのはここ二、三日ですが」「それが遅い。手遅れの一歩前です」飛蚊症は病的ではないものもあるのだが網膜の剥離や裂孔によっておこる。僕の場合は網膜裂孔で蚊に見えたのは裂け目からの出血だった。
裂孔部分はポケットの蓋のようになっていて、小さい場合は出血はないが大きく裂けてくるとめくれて出血し、さらにはがれると失明する。
治療はレーザーで裂け目を凝固させてくっつける。例えればホッチキスで止めるようなものかな。それがダメなら手術らしい。僕の場合は裂け目が大きく出血が多いのでレーザー処置の成功率3割とのこと。薬で出血を抑えつつ裂け目に沿ってレーザーをスポット照射するが、ほんの一瞬をとらえて一発ずつ打つのは流れる雲の切れ間から月を狙うようなもの、その間目玉を動かしてはいけない。痛くはないが目玉は思うようには留まってくれない。一点を見つめようにもまぶしい光の中で目標がないく息を凝らせても長くは続かない。医師患者ともに根気のいる作業である。
二日間の照射で出血が少なくなり三日目にはずいぶん塞げたようだがまだ完全ではない。今はレーザー治療の成功率が4割に上がったくらいかな。もしダメなら入院手術かぁ。

白い斑点がレーザー・スポットである。

もちろん禁酒、禁運動。ノンアルコール飲料って何本飲んでも酔わないんだねぇ(あたりまえか)実感していなかった。酒のない日々はどんなに退屈だろうと危惧していたが意外に着々と時が過ぎる。視力がおちても本は読める。テレビは眩しいので見ない。ライブも照明が負担になるのでしばらくは控えておこう。