黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

自由軒@福山

ポレポレでのライブ前と後に立ち寄る。

福山駅から徒歩で数分、意外に近くで見つけた。予備知識無しに偶然看板を発見。店が呼んでる気がしたな。

コの字型のカウンターに姉さんと大将が居る。空腹ではなかったので酒ともずくを注文。メニュウが多く全体像をつかむまでに時間かかかった。隣のおじさんはショーケースから白菜の漬け物を勝手に出している。すると姉さんがスーッと味の素瓶を差し出す。中身の少ないのに気がついた大将が別の瓶を「出ました?」と差し出すと「出たわ」と客。特に目を合わせるでもなく片言な会話しつつ大将はビールの栓を抜いて他の客の注文に応える。姉さんは空いた皿をひきつつおでんの注文に「味噌?醤油?」聞き返す。無駄のない会話と動きに、これは何かもっと注文しなければ、そうすればもっと面白い展開になるかもしれん。しかしライブの前は調子を整えておかないとと断念。一旦勘定を済まし店を出る。
ライブハウスポレポレは自由軒のすぐ裏にある。

充実したライブを堪能して小腹が空いた。つい「ただいま」と言いそうになった。姉さんは大将に「さっき来られたお客さん。おかえりなさい」と言った。「ただいま」と言えばよかったな。

カレーライスとドッチにするか迷ったが中華そばを注文。大将が大事そうに置いてくれた。
白菜の漬け物を勝手に取り出す人が多い。その都度味の素瓶が差し出される。これはまるで儀式のようだ。

中華そば自体は見た目通りにあっさりしていて特筆すべき物はなかったが、店の持つ雰囲気や接客、また店の賑わいに美味しさが倍増したように思えた。出汁がどうだとか能書きは不要だ。温かい気持ちで作られたものはおいしい。