ウブ公演「あゆみ」
人気のないハイコー(廃校舎)
中庭
体育館入り口
道標
六角形に舞台を取り巻く桟敷席。
開場後続々と入場するお客達。でも何かしら人の動きが多い。開演に備えてトイレとか、にしても・・・。体育館なので楽屋は無いはずだ。どのようにして役者が登場するのかが気になっていた。客席が埋まったにもかかわらず人が客席の後ろを動いている。皆白い服で会場の外周を廻っている。おぉ!すでに役者は登場していたのだ。
人は一生に一億八千歩歩くそうだ。それには第一歩があり、歩みを止めてしまうこともある。
子供の頃母親におねだりしたり、友達とけんかしたり、成長するにつれ出会いがあり恋があり、そのときの生活がある。ふと思うと、自分の子供におねだりされている自分がいる。時間経過は満員電車で表される。小道具は靴、靴べら、靴箱、犬の散歩のリードなど歩くことに関するもので構成されている。それらはイメージを喚起させるに十分なアイテムだ。
初老になり歩みが遅くなって昔の自分が脳裏に浮かぶ。同じ光景が時間をさかのぼりながら再現されていく。
これらを17人の役者が繰り返し再現するのだ。しかもなんとなく変化して。それはまさにひとりひとり異なった人生を送っていることを表しているのではないか。
見終わって充実した気分になった。市井の人を演じるには最適な役者達で、共感するものは多かった。