黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ビブリア古書堂の事件手帖 1〜栞子さんと奇妙な客人たち〜 (メディアワークス文庫)


 映画館でポスターを見た。何の知識も無かったが、タイトルから古本屋の主人が事件を解決するんだなと容易に想像できる。でも主演は若い男女みたいだ。だいたい古本屋なんてのはインテリぶった爺が定番だろう(個人的見解w)
 で、原作本を買ってみた。ほぼ一話完結の短編で各章に本の題名がつけられている。例えば「太宰治『晩年』」とか。
 で、実はすでに二巻読み切って三巻目に突入している。面白いのはミステリーと謳いつつ殺人事件や警察が手を焼く怪事件はひとつも起こらない。それでいてミステリーになっている。所持した人の人生やバックボーンを解き明かす物語だ。なぜその本を買ったのか、売ろうとしたのか、前の持ち主は誰でその関係は、こんなことを古書店の若い女性店主が本に対する膨大な知識、それは出版業界の習わし、古本屋の横のつながり、本好きな人の心理等も含めて読み解いていく。
 平易な文章で丁寧な描写なので、つい引き込まれてしまった。映画の公開までに全7巻読めそうだな。
 ビブリア(ラテン語)とはバイブルの語源。