豊島@瀬戸内国際芸術祭2019
豊島と書いて「てしま」と読む。1990年頃膨大な量の有害産業廃棄物(当時50万トンといわれたが結果的に90万トン以上)が摘発され、一躍「産廃の島」として悪名高い島になった。しかし住民達の不断の努力によって、2000年公害調停で香川県知事が謝罪し、原状回復の合意が成立、2017年まで撤去作業が行われた。今は緑も海も再生しつつある
今回、産廃事件記念館「豊島のこころ資料館」には行けなかったが、次回は是非訪れたいところだ。
宇野港で「たまののたまべん」850円この日最後の一個を購入。玉野の名にあやかって弁当箱もおかずも丸い形にしてある。一口サイズなので歩きながらでも車中、船中どこでも気軽につまめる。
たこめし・雑穀菜のおにぎり、穴きゅうロール、がんもと生椎茸の含め煮、オリーブ夢豚とたけのこの焼売、島ピクルス、紫芋ときびのきんとん、茹で卵、トマトなど
化調等は無添加で、香川県豊島の天日塩、同県伊吹島のいりこだしで調理しているとのこと。薄味で素材の持ち味が引き出でている。
豊島までフェリーで約40分、晴天で波は穏やか、快適な船旅だ。たまべんも格別美味い。写真は海側から見た直島の三菱マテリアル(豊島の産廃を最終処理した工場)。
家浦に着いてまずは「豊島横尾館」まで徒歩10分。古民家の母屋、庭を改造して、派手なペイントした池にまず驚く。入口から色ガラス越しに見るとなんの変哲もない庭なんだが、庭に案内されるとまばゆいくらいにカラフルだ。またバベルの塔のような構造物の内部は、はじめの一歩が踏み出せなかったくらい怖かった。「空間体験」というらしいが、吸い込まれるような浮遊感がすごい。
案内板。至る所にあってわかりやすい。
「針工場(はりこうば)」。メリヤス針を製造していた工場跡地に、漁船の船体用の木型を置いてある。「別々の記憶を背負った2つの存在が、新たな磁場となって作品空間を形成している。」という解説がある。
「針工場」に隣接した休憩所にではゴザが無料で貸してもらえる。展示された本になにやら怪しい光が当たっている。机の照明とは別に。
その光は天井に開けられた小さな孔からもれている。これは意図されたものなのか偶然なのか、そばにいた学芸員さんにもわからなかった。
島バスで唐櫃(からと)へ。豊島美術館前下車して徒歩数分。どうせなら真ん前で降ろしてくれたらいいのにと思ったが、そうしない理由がわかった。この景色を見せるためだ。
ゆるい坂道を下ると右手に美術館がある。チケットセンターで手続きをして順番を待つ。
体験型の美術館だ。入ってみればわかる。すばらしい空間と時間が体験できる。というより参加型といった方がいいかも。
唐櫃港で一服。瀬戸内産タコの唐揚げ
町のこんな風景も芸術に見えてくるから不思議。
埠頭を渡る風。