黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ボーン・スプレマシー


第一作ボーン・アイデンティティとの関連性が強いので観ていないと、おそらく何がなんだかわからんだろう。任務途中に記憶喪失になり失踪した諜報員ボーンは刺客に追われ光過敏症と記憶の断片にさいなまされながらも、かろうじて決着をつけ海辺のリゾート地で安寧な日々を送る決心をする前作から、生活は穏やかだが未だに記憶は完全に戻らず夢分析で回復を試みているボーンに火の粉が降りかかるところから始まる。この火の粉の元に復讐し、さらに諜報員として映画で描かれるのは初めてだろう旅に出る。復讐までの行程とさらなる旅の移行がスムーズなので、観客はハラハラドキドキ「何で、そっちに行くの?」と疑問を抱えたままカーアクションに引きずり込まれる。この映画の特筆すべきはカメラワークである。格闘シーンでは手持ちカメラなのでもつれ合うごとに画面が揺れ、あたかも現場に立ち会っているようだ。あまりにも不安定なので船酔い状態になった。カーアクションもドライバー視線や対向車からの視線、地面をはうような視線などカメラの台数は半端じゃなく複雑に絡み合って迫力というより、車に弱い私はまたもや船酔い状態。敵役キリル(カール・アーバン)を倒した後、ボーンの向かった先は・・・。このシーンの存在がこれからの暗殺者モノにどう影響を与えるかわからないが、この視点はいままでなかったものだ。