黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

陰日向に咲く

ホームレス、サラ金地獄の若者、家族的な喪失感にあえぐ会社員などさえない登場人物ばかりである。無関係とおもわれるエピソードの積み重ねによって最後に大団円を迎える構成、原作は未読なので映画との違いはわからない。天気予報と台風が時間軸を支えている。アイドルと追っかけの話は本筋とは全く関係がないが時代性を表すために効果的に使われている。
三浦友和は存在感のない大根役者であった。「三丁目の夕日」で存在感の薄さに逆らわなくなったところでいい役者になったと思う。今回もドロップアウト願望からホームレスの世界に飛び込み、ふとしたきっかけで復帰するのであるがその時の吹っ切れた表情は秀逸である。
岡田准一が公衆電話で見せる葛藤もいいなぁ。
挿入歌「ふりむキッス」は白井良明作曲でノリがよい。きっと10分くらいで作ったんだな。