黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ますゐ@広島市中区八丁堀

小雨の中、高速艇で広島市内に帰還。夕食は創業50余年の歴史を持つ肉屋直営の洋食屋「肉のますゐ」。メニュウには「寿き焼き」と表記しているが壁の張り紙やちらしには「すきやき」だったり「すき焼き」だったりバラバラである。

一階は大衆食堂で二階は和風のロビーを備えた温泉旅館風である。昭和レトロな広間に黒いソファーがデンと置かれ、かつてはフロントだっただろう造作のカウンターは仲居さんがたむろして料理の出し入れに使われている。

特上ロースすき焼き2700円(一人前) 長ネギ、玉ねぎ、焼き豆腐、しらたき 

ここの仲居さん達はよく言えば威勢がよく逆に言うと無遠慮である。挨拶なしで突然入室して作業をはじめる。びっくりするじゃないか。すき焼きは仲居さんが仕切ってくれるので手を出すなという情報が事前にあったので、おとなしくなすがままに。

一気にお肉を投入ししらたき豆腐たまねぎを入れ割り下をジャジャジャとふりかけ、それから鍋全体を覆うように長ネギをおく。

用意が済むと何も言わずすーと退室しようとするから後ろ姿に向かって「ビールの追加を」と声をかけると。きりっと振り向いて「何本?」「三本ほど」すーと去ってしまった。どのタイミングで箸を付けていいかわからんままに煮えた端から手をつける。
これがねぇ、ビックリするほどうまい!。霜降りがあまり好きじゃないぼくは肉を見てうぅ〜〜んと思っていたのだが、脂がくどくなく玉ねぎも長ネギもクッファーというくらい熱くて味が滲みてうまいぜ。随時割り下を追加しに仲居さんが乱入するのにも慣れたし、割り下が甘すぎず煮詰まらず玉子をお代わりしてしまった。