黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

電柱を立てる@働く車

電信柱の取り替え作業を初めて見た。既存の横に新しいのを立てる。

地中には3m位埋める。メジャーで測りながら掘り進めるが基本は手堀である。

ドリルは土を掻き出すのと深部を掘って底部を整形するためのようである。ブカブカにしてしまうと電柱が傾くからね。

電柱には向きがあって登るためのステップが道路に平行になるように立てる。立ててからちょこっと調節したらえぇやんとおもったが、実際の作業を見ると横たわった柱にワイヤーを架ける時点で向きを慎重に決めておかないと後で動かせるものじゃないみたいだ。この作業はほぼ喧嘩に近い。
「もっと右じゃ。」「おめぇ、何遍言うたらわかるんなら、右じゃろうが」
三人掛かりで押さえている柱に架けたワイヤーをハンマーで微調整する。どれくらいの重さかわからんが、これを支えているワイヤーに指をはさまれたら吹き飛ぶな。


さらに既設の電線の間を縫うようにクレーンを上げていく、そのあいだ下の三人は柱にしがみついて誘導している。

向きを微調整している。高いセンシビリティーと力を要する作業である。向きだけでなく底部にきっちり修まっているかどうか、これは職人の技、勘だけが頼りのようだ。「どんな、修まったかぁ?」「おぉ、手応えあった」「よぉっし」

埋めもどして終了。息の詰まるような2時間であった。