黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

BECK

原作を知らなくても見ていて胸が熱くなった。ストーリーはありきたりのパターンでお約束的展開は、それはそれでよろしい。それ以上に大事なのは日本のロック・ミュージック映画がここまできたかということである。昔はアンプに電源ランプが灯ってなかったりシールドがないなんて当たり前にあった。BECKは楽器の扱いやちょっとしたノイズなど細かいところまで行き届いていてライブの現場を知っている人でも違和感が少ないだろう。それにスケール感が今までの邦画とは違う。野外フェスの会場を丸ごと使ってのロケは大動員されたエキストラとともに迫力である。本場のブルースマンの名前が微妙にもじってあってこれもたのしい。ソニー・ボーイなんとかとかジョン・リーなんとかで、このジョン・リーさんとはブルース・セッションがまるまる一曲あってようござんした。
冒頭カブトムシのアップは印象的。
カンニング竹山が好演。水着にゴーグル姿でギターを教えるきもいシーンやら、ビキニの姉ちゃん達をスクリーンに映したのがきっかけでBECKに注目が集まるという重要な役所でじわりと感動。
かたき役のバンドもイケメンでかっこいいけどいまいち存在感が不足。
アメリカの音楽業界を牛耳っているというサングラス姿のボスがナイナイ岡村に似ていて笑える。
主人公が唄うシーンではあえて音声なし。これが意外に効果的。
僕は水嶋ヒロ以外若い俳優達、主人公でさえ誰だかわからなくて、時代は変わっているのだなと痛感。