黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

コマンド@北区表町

スカルの扉をあけるとギタリストの三宅伸也さんが立っていた。
「コマンド行かん?」と声をかけられた。
自転車を押しながら夜道を歩く。二人っきりは初めてなのでやや緊張したが話したいことはいっぱいある。
僕自身は1970年代岡山にいなかったのでその間のライブ状況は全く知らない。帰郷してもライブハウスに通うようになるのは90年以降、したがって約20年間の空白がある。これを埋めていく作業が個人的な課題である。

僕が初めてコマンドに行ったのは高校生の時1969年かな。当時は岡大の小野夫妻がやっていてジャズ喫茶だった。月曜日だけがロックの日で毎週通っていた。ロック好き高校生のたまり場で市内で唯一心おきなく一服できる店だった。徐々にロック派の勢力が強くなってたしか水曜日と金曜日もロックの日になり2年もしないうちにロック喫茶になっていた。ツェッペリンやディープパープルを知ったのはコマンドだった。ザッパも聴かせてもらってぶっ飛んだな。帰省する度にレコードを持ち込んだりもして発売直後のはっぴいえんど「風街ロマン」をかけてもらったときには満席になった。
80年以降は僕自身の69〜72年の想い出が強すぎて世代の変わったコマンドに足が向かなかった。
三宅さんは僕と13歳違う。それだけ違えば聴いた音楽もずいぶん違うが、お父さんやお兄さんの影響もあって子供の頃から洋楽には親しんできたらしい。歳の差を感じさせない豊富な音楽体験に驚かされた。ロバジョンやキャロルのことなど短い時間だったがお話しが出来て良かった。
写真にある「TAKAMI SAKI」さんの個展の案内ハガキはスカルでご本人から直接いただいた。画廊の前を車で通過したとき一瞬見えた。畳ほどの大きさの絵がダイナミックに展示されていた。残念ながら今回はうかがえないがこの絵のタッチは好きだ。