黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

百年カレー@日光 金谷ホテル

百年ライスカレー2052円 ビール831円

明治6年開業の現存する日本最古のリゾートクラシックホテルである。アインシュタインヘレン・ケラーらも宿泊した。ジョン・レノンが泊まったかは定かではない。

ドアマンといっても初老の紳士である。厳かに回転扉へ誘ってくれる。

一歩足を踏み入れると空気が違う。時の流れも違って感じる。居心地の良さとかリゾート感覚とかを感じたいならば今風のゴージャスなホテルを選択するがよろしい。凛として格式というものが目の前にあるのだ。それは歴史の重み。

らっきょうと福神漬でビールをいただく。

大正時代に提供されていたそうだがメニュウ落ちしそのままになっていた。2003年レシピが発見され復刻したのが「百年カレー」である。

僕らが家庭や給食でなじんだカレーはインド発英国経由である。インドにはカレーという料理はない。カレーは「(ご飯にかける)香りのよいもの」というくらいの意味で西洋人がインドの食べ物を「カレー」いう名前だと勘違いしたらしい。そして英国人は、なじみのないスパイスを毎度混ぜ合わせるのは面倒だということでカレー粉を作った。有名なC&B社のカレー粉である。僕らの知っているカレーの起源は英国ということになる。明治初期にはC&B社のカレー粉が輸入されていた。昭和の初期にエスビーが国産カレー粉を発売し現在に至るわけだ。
明治時代に発行された料理本には西洋料理として紹介され「カレー粉で味付けし小麦粉でとろみを出す」とある。すでに基本的なレシピは完成していたんだね。

甘さとほのぼのとした(スパイスというより薬膳的な)辛さがルーにあり、よく煮込まれたすね肉は柔らかくマイルドで大きい。不遜にも小学校で出された給食のカレーを思い出したが、レシピ的には現代ものより百年カレーには近いかも。