黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜


 先月原作を読み、映画だとどうなるのだろうと期待を込めて観た。結論から言うと、サスペンス部分をばっさりとそぎ落としシンプルな構成にしてあり納得のいく出来だった。
 前半レシピを作っていく過程は、まな板の上で素材が切られる様子やコンロからの炎など鋭い角度で撮られていて迫力がある。後半幻のレシピの一部が、周囲の人物によって密かに伝えられ現代に残っているのを主人公が見て、徐々に隠された仕組みに気がついていく過程もテンポがよく飽きさせない。
 結果的に修まるところに修まった感はあるが、不満ではない。どんな料理でも味わった後は胃に収まるのだから。