黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

UDON@岡南シネマ


ウドンブームを仕掛けた麺通団
とそれにまつわる男の夢の物語である。踊る大捜査線同様わかりやすい伏線ありまくり、そしてサマータイムマシンブルースの三人組とマスコット人形、なんと副総監誘拐犯坂下始がうどん巡礼者として行き倒れに、うどんフェスティバルの回答者にOHK魚住アナ等凝った小道具演出キャスティング満載で目が離せない。脱線し横転し迷走するストーリーは”キャプテンUDON”のVFXにとどめを刺す。寺島進はカッコいいねぇ。エピソードの多くは事実で裏付けされているが、映画では何の説明もないので意味不明の場面がある。タキシードを着た5人組が畑の中でうどんを食っているのを撮影する外国人のシーンである。これはフランスの新聞記者で実際にフランスの新聞にこの写真は掲載された。後日談としてそれ自体が日本の雑誌アエラ」に逆輸入記事として紹介された。また主人公の姉役が鈴木京香というのも何かの縁なのか、鈴木京香はブームのもっとも初期に取材に来た女優である。この時TJかがわでのドタバタは「恐るべきさぬきうどん」に収められている。
底抜けに脳天気なユースケサンタマリアとトータス松本のコンビとちょっととぼけた小西真奈美、しっかり者の鈴木京香、頑固な父親、身勝手な評論家、うどん取り巻く人達。一杯のウドンがいろいろな人生を紡いでいく。映画ではブームが去り仕掛け人達はそれぞれの道を歩み始めるが、うどんがブームではない底力を持っていることが暗示され終わる。
宇高連絡船のうどんが後半鍵になるのはうれしい。