黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ラ博ウチアゲ2


開催日まで時間があるとはいえ情報誌の〆切は間近だった。コンセプトだけはハッキリさせないと。自作オフのように各自のこだわりを前面に出したラーメンではなくイメージを共有できるものにしないといけない。共通項として冨士屋、小西食堂、天神のようなシンプルで直球勝負なラーメンでどうだろう。そこには懐かしさがある。情報誌には「懐かしい昭和の中華そば」という一文を書いた。「僕たちが幼い頃から食べてきた岡山の中華そば。岡山を離れることがあっても忘れることのなかった岡山の中華そば。ラーメンと呼ばれるようになっても岡山のラーメンは中華そばなんだ。岡山の中華そばの源流といえる豚骨をベースにしたスープ、醤油味のしっかりしたチャーシュー・メンマ、それはシンプルな中に深い味わいを秘めたラーメン。そんな懐かしい昭和の中華そばを自分の手で作ってみたいと思いました。」これ自体はボツになったが編集者によってエッセンスを残した文章が10月号に掲載された。
一方でコンロと寸胴の手配もはじまった。みよしの店主に相談すると1個余っているとのこと。「寸胴は数いるから、どの店にも予備があると思うよ」不思議と一点突破するとなぜか一気に道が開け意外と簡単にコンロ5個寸胴5個が揃った。