黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

八仙@札幌市すすきの

塩成吉思汗 値段表示無し

雪の舞う夜のすすきのを散策し、有名な焼肉ダルマの行列を眺めつつガールズ・バーやキャバクラが詰まったビルの薄暗い階段を下り人気の無い廊下を行く。すると奥で大声で携帯をかけているおっさんがいた。ライブやプロレスのポスターが乱雑に貼ってある。

おっさん「予約で一杯って言ってるのに、なんで入れるかなぁ。確かめもせずに困るわ」
僕らに「あんたらは?」
僕「さっき電話で予約した・・二人」
お「お二人さん?そりゃ今 入ったのは?」
店の中から「すみませーん、それ 私らです、無理言いましたぁ」
僕らに向かって「あんたらが、正しい予約の二人か・・・まあ、入ってなんとかするから」

店の中は一部屋。中央にコンロの並ぶテーブルが二列。右の壁は名刺で埋め尽くされ、左の壁に流しと冷蔵庫、酒瓶、ゴミみたいな荷物。こんな店がまずいわけがない。大声のおっさんは店長だった。もう一人のおっさんはドラマだと悪役しか出来ないような風体の大男。背中を丸めてまな板に向かっている。

刺身クラゲの山ワサビ添えが突き出しだ。コリコリしてワサビが爽やかだ。店内の雑然さと対照的だ。


基本的に「塩ジンギスカン」が黙っていても人数分用意される。馴染みになると壁に貼ってある判読しづらいメニュウから注文できるのだろう。ぶ厚いラム肉と胡麻油ネギがセットになっている。写真は二人前

長ネギにタップリ胡麻油と一味がまぶされていて、これだけでビールがすすむわ。またこれが肉のタレにもなっている。

他のお客がやっているのを見るとハサミで一口大に切って焼ている。軽く炙る程度で充分。レアでも臭みなど全くない。

かじりつきたい衝動で切らずにそのまま焼く。線維が柔らかく脂っぽくないので、いつまでも噛んでいられる。昨今の「溶けるぅ」な肉は歯のない奴むけだ。心地よい噛み応えを何度も楽しむと脂と唾液が混ざって甘さや旨みがわき出てくる。

酒は「北の勝」これもお替わり。

もう一つの名物、牛とろライスだ。冷凍されたミンチ肉を熱いご飯にかけてある。一分ほど待つとご飯の熱で溶けるらしい。これにも山ワサビがかかっていてウマウマですな。
この後寿司も食いたかったので、これくらいで退店。肉二人前、飯、ビール2,酒2で5000円くらいだった。と言うことは肉は一人前1200円くらい?
繁華街の地下の奥にこんなディープな店があるとは、この店のためにだけでも夏もう一回札幌に来たい。
この後寄った回転寿司は、ハズレじゃったわ。

唯一美味かったホタテ。