黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

男たちの大和


この映画にはヒローはいない。獅童も反町も単に死を覚悟せざるをえなかった男達の代弁者にすぎない。国家のために死ぬことを納得できるか否か。拒否も逃げ出すことも許されない環境で、それぞれの想いを胸に無理矢理納得させるには酒を飲むか喧嘩をするか泣くか叫ぶかしかない。召集された海軍特別年少兵は15歳、大和は完成から沈没まで約4年間しかない。従って未成年で死んだ。乗船中彼らは将来の夢なぞ持ちようもなかったろう。残酷なことだ。現代のシーンで15歳の漁師見習いの少年がバイクを買うのが夢というセリフが心に響く。