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黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

空飛ぶ理科教室

あがた森魚ライブ@禁酒会館4月9日

禁酒会館80年の重みと対峙するにはあがたさんが一番かもしれない。設営前の会場を喫茶店から眺めながらふと思う。これから「寝ずの番」をシネマクレールに観に行く。笑福亭松鶴のエピソードをモチーフにした映画で、あがたさんのライブの前にはぴったりかもしれない。(映画については後述)

映画から帰るとすでに設営が始まっていた。邪魔すると行けないのでとっとと一元に遅い昼飯に行く。(一元は前日のグログに記載)

ビデオカメラのセッティングを終えリハを待つ。サポートはギター@東京の方と岡山の凄腕パッカーショニストとバイオリンのふくみちゃん。私はバイオリニストの方を「ちゃん」というほどお付き合いがあったり面識があるわけではないのだが他に言いようがないので、そう呼ばせていただくが「ふくみちゃん」の存在なしにこのライブは成立しない予感。

前座をスプリングカムカムが務める。これはあがたさんの登場にピッタリなバンドになっていると思う。ドラムの響さんサックスの赤田さんの強力なサポートで架空はリラックスしたギターを聴かせてくれる。335が身にあってきたようでうれしい。このギターは山口冨士夫氏がかつて愛用していたもの。こういう因縁が巡ってくるのも架空が30年実績を積み上げてきた賜であろう。


日々不安定な天気が続く中奇蹟的に温かい日にこのライブが行われたことを神に感謝します。あがたさんはお客の反応に合わせて構成を変えている。ふくみちゃんにリハ以上のソロを求めている。戸惑いながらも音を止めないふくみちゃんに「がんばれ」の声が飛ぶ。皆わかっているのだ。途中PAのバイオリンが大きすぎるのでは?と人を介して架空に伝言してもらったら、帰ってきた返事は「わかっている」とのこと。なるほど、そうゆうことかと納得。
「空飛ぶ理科教室」は’87年のアルバム収録らしい。じつは私はあがたさんのアルバム(CD)を一枚も持っていないし聴いてない。あがた体験のすべては架空楽団のものだ。架空の初演がいつだったかわからないが岡山での公演をすべて観ている私はきっと目撃しているはずだ('95ペパーはSYUN氏のHPで確認できた。SYUN氏に感謝)。岡山河畔劇場で同曲をモチーフにした野外芝居を観、稲垣足穂に近いイメージ、後日ライブで聴いたあがたさん自身の演奏と架空楽団の演奏、この4つが私の中にバラバラにあった「空飛ぶ理科教室」である。すべてあがたさんのものであるが自分の中で一緒にはならなかった。漫画「20世紀少年」でキーのひとつは理科教室である。この曲の不思議な浮遊感は芝居にしろ小説にせよコピーであってもなぜか再現される。この感覚は個的なものかもしれない。今夜のライブでこの曲を聴きいてこれら4つが頭の中を駈けめぐり、そしてひとつになった。なにかしらスキッとした。もう午後10時になろうとしている晩飯はまだだ。アジフライ喰いてぇ。やはりあがたさんのイメージはフライでしょ。(アジフライは前日のグログに記載) サイン
追記:表町食堂の後YamadaBarで一息ついて帰宅したが、そのあとあがたさんが来たらしい。