黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

渡部旅館@鳥取市賀露

かにづくしミニコース8400円

智頭線スーパーいなば号で鳥取まで約2時間の旅。途中上郡駅で列車の進行方向が変わる。そのために座席を回転させるのはお客が協力しておこなう。たったこれだけで乗客同士に連帯感というか親近感が生まれるのは不思議。賀露港までは鳥取駅からバスかタクシーで20分くらい。今回は各駅停車に乗り換えて次の駅湖山で下車。タクシーで10分くらい。


いまではどこにでもあるカニ刺しをはじめたのはこの旅館の先代らしい。食べ方は氷水で〆めて花咲状態にしてではなく、チルドなのをシンプルにしがむだけ。冷やっとした感触と潮の香り、あとからジワーッとわいてくるカニのうまみに満足。


カニ味噌は濃厚。日本酒を垂らしてカニの身と和えてもうまい。全部食べたい気持ちを押さえて、ほんの少し残しておこう。最後の雑炊のために。




仲居さんが丁寧に焼いてくれる。昔はこのサービスはなくデンと置いてあるだけだった。焼カニは殻の熱いうちに手早くほぐさないと塩っ気がまわってしまうので、ちょっと熱いのを我慢しないといけません。焼カニはくどいので個人的にはこれくらいで丁度いい。お値段の差が3000円ほどあるフルコースだと丸ごとでるらしい。私にはミニコースの方がコスパ良好である。



茹でカニは、とにかくモクモクとほじる。身離れがよいから細かいところまで剥きやすい。そのままでも甘酢につけてもどちらもうまい。順次食べきってしまう人と溜めてから一気に喰う人と2種類に分かれる。ため込んでおくと順次派からはケチだの貧乏性だの悪く言われる。




入れるものはカニと白菜のみ、豆腐はにがりが身を硬くするのれ入れない。ネギ等の野菜が欲しいところだがとにかくカニの邪魔をしないために何も入れないそうだ。ここの白菜は自家栽培で火を通すと甘みが強くなり透明感が増します。先に白菜を入れて火が通ってからカニをのせます。カニを入れたら蓋はしません。煮すぎないようにさっさと火から上げて再びモクモクと食べます。これも少し残しておいて雑炊に備えておくのも忘れぬように。


〆はもちろん雑炊。タップリのねぎと溶き卵でしあげます。残しておいた身をのせ、小量のカニ味噌をたらしすとゴージャスです。
小手先の料理はいっさいなく生、焼く、煮るのただただカニのみ。 大変満足でした。