黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

まことや@北区田町

まっ式600円 高菜100円

暗い通りに一個の提灯がともる。飲食は軒を連ねてこそ不意の客でも呼び込めるが、孤立した店になんの予備知識なく入るには勇気がいる。そんな条件下で頑張っている「まことや.」である。

研究熱心な店主が時間をかけて開発したのが「まっ式ラーメン」である。レギュラーのラーメンを博多系の豚骨ラーメンを思っている方も多いだろう。店主が修行していた店がそうだったし、見かけも白湯のいわゆる豚骨スープだからだ。しかし、このスープには豚骨だけでなく鶏ガラ、魚介などがブレンドされている。半々位の割合なので豚骨スープとは言いがたいし、メニュウにも「豚骨ラーメン」とは記されていない。ようするに白湯の醤油ラーメンなのだ。アフラはきれいに取り除いてあるので見た目とは裏腹にすっきりしたスープになっている。故に味玉やとんなんチャーをトッピングするとより複雑に変化する。
まっ式は、焦がしタマネギと背脂を浮かべたもので若干辛味がある。タマネギの甘さ、背脂のコクとピリ辛をスープと合体させるラーメンである。オイルが後のせなので初めによくかき混ぜてから食べないと上層のオイル分だけを口にして「味、ん?」と感じてしまう。これはお客にも店主にとっても不幸なことだ。このラーメンに限らず調味オイルが浮いているのは、すべからくよくかき混ぜてから食べていただきたい。
今回は高菜をトッピングした。まっ式にはモヤシも木耳も合うが、舌先のインパクトを増すには高菜がいい。辛味がスープに馴染んで高菜のシャリシャリ感が最後まで味わえる。