黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

ブライアンジョーンズのお墓


ブライアンジョーンズの映像を見たのはゴダールの「ワンプラスワン」という映画である。この映画の評価は一応「ストーンズの録音風景に、革命をテーマにした記録フィルムをかぶせたドキュメンタリー」となっているが、とんでもない駄作で凄く腹が立ったものだ。10年後岡山でみてもやはりそうだった。革命をテーマにしたと言われる部分は、ナチスの捕虜ひっぱたいて毛沢東バンザイと言わせたり、武装した黒人が白人を誘拐するみたいな意味不明のコーナーコントみたいで、その都度ストーンズのレコーディング風景がぶち切られる。ゴダールの糞野郎!オマエの前衛を気取った陳腐なコントよりストーンズの方がよっぽど革命的なんだよ!と心で叫んでいたよ。ここで演奏される曲は「悪魔を憐れむ唄」。おそらく曲作りの発想から完成まで追った映像は初めてで貴重な体験ができる。その意味でもゴダールの挿入部分は邪魔。レコーディング中に少しだけ登場するブライアンジョーンズがラリっているのかほとんど演奏に加わっていないのが辛かったなぁ。たしかベースはキースが弾いていてビルはコンガかなにか叩いていて、意外にミックがギターソロ取っていてしかも巧くて八面六臂の大活躍。最後仕上げにコーラスガールを呼んで宴会だか録音だかわからない盛り上がり。これだけすばらしい素材を細切れにせず素直に編集していればナンバーワンの音楽映画になったろうに。この後ブライアンはストーンズを脱退その一ヶ月後に亡くなる。墓石には「僕に冷たくしないでくれ」と刻まれているらしい。
(写真提供:某議員秘書氏のご厚意による)