黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

冨士屋カップ麺@十勝新津製麺



5月22日発売になったカップ麺である。昨年夏から8ヶ月かけて9号まで試作をかさねた。十勝のカップ麺は氷結乾燥ノンフライ麺がうりなので龍や一元、おっつあん、高安等どのカップ麺も同じ麺である。冨士屋の試作品のも同じであった。もどしの悪いビーフンみたいな麺ですこぶる評判が悪い。
試作1号から3号までは何をどう指摘したらよいのか醤油からさ、脂の香り、麺の太さなど全く暗中模索であった。とりあえず麺の食感がか弱く口触りが悪いので、なんとかなめらかな感触が出せないものかと太麺のアイデアをだした。冨士屋の昔の麺はいまのより太くプリッとした口当たりがよかったからだ。太め柔らかめに設定した方が感覚的には受け入れやすいのではないか。しかし太麺で試作4号を作ってもらったが不揃いで食感がさらに悪くなった。氷結乾燥ノンフライ麺はバリエーションが効かないようだ。これで麺の限界が判明。
後半は醤油の甘さと脂の香りの再現に終始した。冨士屋特有の醤油の甘さ香りの良さは、すすったときに鼻の奥に抜ける昆布臭である。これはおそらく特製醤油由来だと思われる。そして刻み葱は通常の1.5倍にし胡椒の添付を要請。
試作は5,6,7号と続き年末になって十勝が根を上げて「ボチボチこの辺で・・・」。どうやら一つの製品にかけられる開発費は決まっているようだ。それでもねばって年が明けて試作8号9号。
22日に発売になっていたカップ麺であるが、ファンとして怖くて今日まで買いに行けなかった。麺はもうあきらめているので、とりあえずスープだけ作製。300ccのお湯にスープを溶かす。レトルト具材の臭いはよくないねぇ。高安カップ(おなじ十勝)のは良かったのにねぇ。葱は増量して正解。香りはいいよ。スープは冷めて冨士屋にほんのちょっぴり近づいた気がした。
結論:カップ麺に期待してはいけない。