黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

げんこつ屋カップ麺@十勝新津製麺

マイベスト10といってもいいくらい好きな店玉野のげんこつ屋のカップ麺が4月に発売になった。おかやまラーメン博会場で販売していたので買ってみた。

カップ麺でお店の味を再現できるとは思わないが、そのラーメンの持つエッセンスはなんとか表現してもらいたい。3年前冨士屋さんのカップ麺を作ったときのことが想い出された。
2005年の夏冨士屋カップ麺化の話が持ち上がり北海道から製作担当の方が来て試食しサンプルを持ち帰った。しばらくして試作品1号が送られてきた。スープはおそらく成分分析器にかけて同じ組成で作るのだろう。でも数字上の構成比は同じでも味は全く違う。脂ぎって醤油辛く妙に甘い物がやってきた。ここから長いやりとりがはじまる。
↓冨士屋カップVr.2


たしかに冨士屋のは醤油メインで甘さがありさらにラードを添加している。冨士屋の醤油は特注で常に女将が確認しいまでも出来の悪いときには突っ返すそうだから、この醤油が再現できなければカップ化は不可能。ラードも高級品でカップには不採算である。
 

半年間何度もダメ出しをして結局麺に関しては氷結乾燥法では岡山の麺にそぐわないという結果に達した。それはその後発売になった龍や、一元、たくみでも同じであった。柔らかさの中にコシがある食感がでないのだ。

初期の脂ぎって醤油っぽいのから手を変え品を替え香りのよい醤油の中にほんのり甘さを感じるスープになって最後に微妙に異なったスープVr.8Vr.9ができた。風味を上乗せするために刻みネギを多めにしてもらい粉胡椒も付属させることでVr.9を選択した。

構想から9ヶ月後2006年5月発売。一ヶ月で完売した。