黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

本当は癒やされていたのかも。

先週飼い犬が死んだ。18歳だった。僕はペットに癒やされるタイプではないので、悲しくはあるけどペットロスにはならない。
 18年前喘息持ちの息子の症状が治まってきたので、子供達がほしがっていた犬を飼うことにした。池田動物園のペットショップでどうみても売れ残っていた子犬を子供達が選んだのだ。なぜ売れ残ってたかは、すぐにわかった背骨が曲がっていて後ろ足が不自由だった。それでも子供達は嬉嬉として大事にした。
 飼う条件は「面倒は子供達で見る事。玄関の土間を含めて庭で飼う事」にした。僕は寝起きに犬に顔をなめられるなんてまっぴらゴメンだからね。
 狭い庭だがよく走り回った。道路から50センチくらい高くなっているので落ちないように、柵をしたりネットを張ったりして対策を取ったがことごとく破られたsigh。賢い犬で垣根から顔出すが、飛び出すことはなかったな。
 子供達が県外に出ると散歩やえさやりは僕も時々はせざるを得なくなった。成犬になってから現れたおっさんになつくこともなく、僕たちは事務的に他人行儀に暮らした。そして子供達と居た時間より僕との方が永くなった。晩年は後ろ足が動かなくなり、目も不自由になってじっとしている方が多かった。背中をさすってやることくらいしか出来なかったが、他にも病気を持っていたのかもしれないね。僕は不在だったが、玄関の土間で長男と母親に看取られて息を引き取ったらしい。
 朝カーテンを開けると、犬を探す習慣はまだ続いている。
写真は2012年4月  孫と。