黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

【長万部@北区学南町】懐かしい岡山のラーメン

長万部(おしゃまんべ)@北区学南町
味噌ラーメン 600円

 写真は2005年の様子である。台風の影響でテントが破れているが、以前から半分裂けていた。この店はラーメンより店の不潔さ、不気味さのほうが有名だった。「店の前は異臭がする」「店主はまず賞味期限を確認する 」「カウンターに虫這ってる」「野菜が古く新しい芽が出てきてる」「コップにくもの巣張ってた」とにかくさんざんだね。実際、古新聞は山積みだし厨房も汚い。
 創業は1965年頃磨屋町の小紫(現:北区今)の並びだったらしい。学南町へ移店したのは1985年頃とのこと。磨屋町にいつまで居たかは不明。

 店主曰く「1965年頃岡山では初めての味噌ラーメンの店を開店し、県下に26店舗支店を出した」という。事の起こりは、北海道に赴任中「三平」に通い詰めその味に惚れて岡山で開業を決意した。「三平」のおやじさんから職人さんを一人一年間借りる事が出来、味噌ラーメンのノウハウを伝授してもらった。当時一日600杯出た。その頃岡山では味噌ラーメン用の太麺を作る製麺所はなく北海道から空輸していた。1000玉単位で注文したので北海道の製麺所(たぶん西山製麺)からはいたずらと思われたらしい。3000玉を毎日空輸するのは不経済なので岡山の製麺所に頼んでみるがやってくれるところはなく、近くの小さな製麺所がやっと引き受けてくれたそうな。ご店主が言うには「ウチのおかげで外車も別荘ももっとる。今でも工場はちいせぇままじゃけど」

ラーメンについてふれると、たしかに味噌ダレは岡山にはない濃厚で奥底にほのかな甘さがあり冷めにくい。麺は多加水でのびにくい。これなら一食として充分なボリュームが得られる。本場三平のディフォだと岡山の人は喰えんじゃろうな。ということでややアレンジを加えたとのことである。
・「岡山文庫別冊レジャー岡山@日本文教出版;昭44刊」に「磨屋町の札幌ラーメンの店」という記述がある。
・支店として確認出来たのは、津島モール付近の「万吉ラーメン」で1995年頃閉店している。その後田町橋の屋台村に移転し1年位してそこも閉店。
長万部の閉店も正確にはわからない。現在地は中古自転車屋になっている。
追記:FB会員から、学南町で開店したのは「85年よりも少し前」ではないか、という情報も寄せられています。